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巨人春季キャンプレポート2022.2.9

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巨人春季キャンプレポート2022.2.9

第三クール初日の今日からS班のベテラン・外国人選手が一軍の練習メニューに合流。
11日の紅白戦、そして沖縄二次キャンプの練習試合に向けて、一軍本体の練習は実戦を想定したメニューが増えてきたが、そこにも顔を出していた。
いよいよ、当コラムも実戦レポートに向けてエンジンを少しづつ回転させていく。
さて、今回の特集は来日三年目となり、NPB最速スピードを去年記録したビエイラを取り上げる。
絶対的守護神になるにはもう一皮むけて欲しいのが正直な現状だが、その為の課題を筆者なりに深掘りしていく。
その前にいつものようにキャンプトピックスから。。。

☆巨人春季キャンプトピックス
※第三クールからルーキー赤星が一軍昇格
ここまで非常に首脳陣の評価が高かったルーキーの赤星優志が、晴れて一軍メンバーとして昇格。
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※第三クールから坂本も一軍投内連携に参加する
既に一軍の練習に顔を出していた丸、中田、ウィーラー、中島から二日遅れて今日から坂本勇人も参加していた。
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※同じく第三クールからS班投手陣が一軍に合流する。
S班の菅野智之、デラロサ、ビエイラ、メルセデス、そして立ち上げ班からスタートした山口俊が一軍投手陣の練習に本格参加する。
メルセデスは精力的にブルペンで93球を投げ込み、例年以上の仕上がりの早さを感じた。
そんな中で注目したのが後段で特集しているビエイラで、まだまだ軽くではあるがブルペンで捕手を座らせて投げ込んでいた。
キャンプ初日に体つきは競馬用語で言う「太目残り」の印象だったが、かなり体が締まってきた印象。
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※丸と中田のランチ特打を見た感想
<丸佳浩>
去年よりも始動を意識的に早くして、右足を高く上げながら、しっかり左の軸足に一度体重を置いてから振り出すように意識していた。
彼の特徴である腕のヒッチ作業は変わっていないが、そこだけを意識しないように下半身でタイミングと「間」を作ろうとしていた。
横からの映像を見ると、綺麗な一本足打法になっていた。
勿論、実戦になると相手投手はあの手この手で彼のタイミングを外そうとするだろうが、バッティングのアプローチとしては間違っていないと思う。
<中田翔>
先日の特打よりも上体の突っ込み度合は改善されているが、もう少し右足に体重を置く時間が欲しい。
まだまだ衝突系のバッティングになっているので、バッティング投手のボールにも差し込まれるケースが少なくない。
勿論、ピッタリとタイミングが合えばどこまでも飛んでいくが、その確率はまだまだ低いと思う。-



☆ビエイラ
2010年、17歳でブラジル・サンパウロのヤクルト野球アカデミーに合格、同年9月にマリナーズとマイナー契約を結ぶ。
2011年、ルーキーリーグで12試合登板(先発2)、2勝0敗、防御率4.00、奪三振8
2012年、同じくルーキーリーグで先発として13試合登板、3勝5敗、防御率6.05、奪三振35
オフにはWBC予選にブラジル代表として参加し、主に抑え役を任せられた
尚、この大会では2セーブをマークし、チームの予選突破に大きく貢献し、本選にも選出された
2013年、1Aに昇格し、14試合(主に先発)に登板して4勝5敗、防御率3.84、奪三振51
2014年、1Aで13試合に登板して1勝1敗1セーブ、防御る5.23、奪三振23、この年からリリーフが多くなる。
2015年、1Aで22試合に登板、1勝4敗、防御率6.97、奪三振22
2016年、1Aで34試合に登板して1勝0敗8セーブ、防御率2.84、奪三振53の好成績をマークし、オフにメジャー契約を勝ち取り、40人枠に入る。
2017年、開幕は2Aで迎えるが、7月に3A昇格、そして8月に待望のメジャー昇格を果たし、同月14日のオリオールズ戦でデビュー、1回を無失点で抑えた。
しかし、直ぐにマイナー降格し、その後も昇格せずに終了。
そして同年11月にトレードでホワイトソックスにトレードされる。
2018年、8月の対タイガース戦でメジャー初勝利を飾る。
2019年、メジャーで6試合登板して1勝0敗、防御率9.00
そして、このオフに読売ジャイアンツと推定年棒5500万円の一年契約を結ぶ。
以上、ここまでがビエイラの中南米、米国でのキャリアとなる。



2020年、キャンプ・オープン戦から制球難が露呈するが、リリーフ陣の不安もあって開幕一軍入りを果たす。
しかし、初登板となった開幕第二戦の対阪神で最速161キロのストレートを披露するも、制球難が露呈して1イニング投げ切れずに途中降板、翌日に登録抹消。
その後も何度もチャンスを与えられるが一軍定着には至らずシーズン終盤を迎える。
しかし、メルセデスが9月末に故障で戦線離脱して一軍に再登録されると、そこからはまずまずの結果を残して最後まで一軍マウンドに立ち続ける。
結局、この年は0勝1敗2ホールド、防御率3.28、奪三振29。
特に奪三振はイニング数24回2/3を超えた数字をマークし、そのポテンシャルの高さは証明した。
更に同年の日本シリーズ第4戦でシリーズ最速の164キロを記録して周囲を驚かせる。
オフの契約更新については、一部ではリリース有力の声もあったが、球団が練習に取り組む姿勢などを高く評価、そして今後の飛躍が期待出来ると判断して年棒7000万円で契約更新した。
そして去年は、開幕から一軍登録され、デラロサ渡米離脱の間の抑えに抜擢されるが、結果を残せずに5月初旬に二軍行きを命じられてしまう。
しかし、この二軍行きが彼の運命を大きく変える。
この間にスライダーの制球力を大きく改善することに成功し、5月中旬に再び一軍登録されると見違えるような投球を見せ、長年の制球難が大きく改善される。
そしてデラロサの故障離脱で再び抑えを任せられると、ここからまさに天下無双の大活躍。
オールスター戦に監督推薦で出場し、163キロの剛速球を披露して観客を沸かし、更に8月13日の中日戦で公式戦NPB最速の165キロを記録し、同28日の中日戦で30試合連続無失点で球団記録を達成。
その後、9月1日のヤクルト戦でも無失点で抑え、ファルケンボーグの持つ外国人連続無失点(31試合)を抜いて32試合連続無失点の大記録を達成する。
結局、7月と8月は9セーブ、防御率0.00を記録して月間MVPを獲得する。
しかし、同9日に右肘の違和感を訴えて戦線離脱し、21日に再登録されるが復帰後は以前のような輝きをなかなか取り戻せずに大幅に防御率を悪化してしまう。
この年の最終成績は0勝3敗19セーブ1ホールド、防御率2.93。
オフにはMLB復帰も噂されたが、本人は巨人残留を熱望して年棒1億4300万円で契約更新。
以上、ここまでが去年までの実績になる。



専門外なので投手の技術的なことは分からないが、打者目線で彼の投球を分析すると、まずフォーム的に来日初年度と去年で大きく変わった点は特には感じない。
まあ、基本的に「一球ごとにフォームを変えて打者のタイミングを少しでも外すことを考えるタイプ」だが、大元の考え方は力まないフォームを意識していたと思う。
具体的に言うと、元々セットからテイクバックまでは、ゆったりと意識的に「間」を作るフォームだったが、腕を振る早い段階から力んで体が早く開く悪癖を修正出来ずにいた。
本人の意図としては力まない為にゆったりと始動してリリースすることを心がけていた筈だが、、肝心の腕の振り始めの部分で力んでしまったので効果は殆どなかった。
その結果、打者目線では右肩が早く出てくる(見える)のでボールの出処が見やすくなっていたと思う。
そうなれば、いくら150キロ超のボールを投げられても一軍の主力クラスなら余裕で対応出来る。
それが来日初年度の彼のピッチングを見た感想だった。
しかし、何がキッカケになったかは本人しか分からないが、去年途中に大きく改善されたスライダーでカウントを稼いだり、空振りを奪えるようになると、それまで力んで早く開いてしまっていた上体に無駄な力みが消えて開きを我慢出来るようになり、リリースポイントで溜めていたパワーを一気に放出させるフォームになっていた。
つまり、本人の間隔では少ない力感で160キロ超のボールを投げられる感覚を掴んだという事。
特にNPB最速の165キロを投げた中日三連戦あたりの投球フォームはホント素晴らしかった。
あそこが去年の調子のピークだったと思う。
しかし、その後、肘の違和感で戦線離脱し、復帰当初は明らかに腕が振れなくなって(リリースポイントでも力強さを感じない)ストレートの走りも悪くなってしまっていた。
何とか本来のスピードを取り戻そうとするが、そうなる今度は悪循環になって、終始力んだフォーム(上体が早く開く)になり、打者目線では同じ160キロでもそこまで速く感じなかったと思う。
つまり、去年までのビエイラに戻ってしまっていた。



さて、今年のビエイラはどうなるのだろうか?
前段の通り、去年終盤は大きく調子を落としてしまったが、それは肘の不安を抱えたまま投げた事が原因だったのか?
もしかしたら完治していないのではないか?
完治はしたが好調時と同じレベルで腕を振ることが怖いのか?
それとも完治はしたが、一度崩した投球フォームを元に戻せずに終わってしまったのか?
個人的には「肘が完治している」なら、オフにしっかりと体を休めて新たなシーズンに臨めていれば問題ないと思う。
まあ、去年最後は調子を完全に崩していたので、直ぐに好結果は望めないかもしれないが、既に成功体験があるのでしっかり調整出来れば必ずシーズン中のどこかで良い時の状態を取り戻してくれるとみている。
しかし、最も怖いのは肘が完治しないまま(不安を感じたまま)ペナントレース本番を迎えた場合。
特に肘の痛みは本人しか分からない場合が多々あるので、そうなると「傭兵契約」である外国人投手は多少痛みを抱えていても投げられる状態なら騙し騙しの投球を本人が選択する可能性が高い。
そうなると怪我は悪化して致命傷に繋がり、チームの勝敗にも悪影響を与えてしまう最悪の結果を招いてしまう。
そこで首脳陣にお願いしたいのは、ビエイラの状態をしっかりと見極めて欲しいこと。
今キャンプは彼に任せて、彼のペースで調整させてあげて欲しい。
外国人枠の争いを過度に煽って、焦りを生じさせてオーバーペースで調整させることのないように配慮して欲しい。
個人的には4月一杯は状態を見ながらの起用に留めて、5月以降の暖かくなってから徐々に仕事量を増やすようにした方が良いと思う。
まあ、現実的にはリリーフ陣の編成状況を見ると、今年のビエイラは開幕から守護神として活躍しないと苦しい台所なので、首脳陣は開幕からフル回転で使う可能性が高いが。。。。
それでも幸いにして、今日のブルペン映像を見る限り、マイペースで調整出来ているようで多少は安心した。
最後に原監督にお願いしたい。。。。。
今の投手陣では難しいミッション(絵に描いた餅)であることは重々承知の上で提言するが、今季の序盤は五割程度でチームの勝敗を推移させ、後半戦に向けて戦力を整えて一気に加速させる「本来の原野球」を復活させて欲しい。
ビエイラや同じく故障が多い中川皓太を壊さない為にも。。。

以上 敬称略
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