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巨人春季キャンプレポート2022.2.10

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巨人春季キャンプレポート2022.2.10

第三クール二日目の宮崎は朝方の雨模様で木の花ドームでのスタートとなったが、昼前に回復してほぼ予定通りの練習メニューを消化した。
さあ、明日はいよいよ注目の紅白戦が行われる。
投手は1イニング限定の登板になるが、投打の若手注目選手の対決などが見られそうだ。
そして、明日の弊コラムではこの試合についての筆者独自の視点で詳細にレポートするので是非ともご覧いただきたい。
さて、本日の特集は外国人選手シリーズの最後の一人であるウィーラーを取り上げる。
彼のパーソナリティーである熱いファイティングスピリットは、我々ファンを熱くさせるだけではなく、今やチームの精神的支柱と言っても過言ではない。
そんなウィーラーのこれまでのキャリアを改めて振りかえつつ、今季に向けた期待と課題を指摘していく。
さて、その前にいつものようにキャンプトピックスから。。。。

☆巨人春季キャンプトピックス
※戸郷翔征がフリーバッティングに登板
<対大城卓三、喜多隆介、岸田行倫>
ストレート系に関しては指にかかったストレートは全体の2割くらいで、まだまだシュート回転のボールが多い。
スライダー系は明らかなボール球が多かったが、去年のような抜け気味の逆球は少なかった。
フォーク系はキレがイマイチ。
左打者の大城にはシュート回転したストレートを逆方向に打ち返されていたが、右打者の喜多や岸田にはシュート回転が逆に効果的になって差し込む場面が多く見られた。
ぶっちゃけると、まだまだ調整途上なので「論ずるに値せず」の内容だが、印象的なのはスライダー系の変化が少し変わっていたこと。
去年までは大きく変化する一方で、抜けて逆球になるケースが多かったが、今日の内容を見る限りはカット気味の小さな変化ながらも逆球になる割合は少なかった。
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※明日の紅白戦のスタメン発表
【白組】 ①右・松原 ②二・広岡 ③左・八百板 ④一・北村 ⑤捕・大城 ⑥中・秋広 ⑦遊・増田大 ⑧三・勝俣 ⑨DH・喜多
【紅組】 ①二・吉川尚 ②遊・中山 ③右・石川 ④捕・岸田 ⑤中・立岡 ⑥一・若林 ⑦左・湯浅 ⑧三・岡本大 ⑨DH・山瀬
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※明日の紅白戦の登板投手発表
【白組】
山崎伊、戸田、平内、赤星、鈴木優、今村、桜井、木下、笠島
【紅組】
堀田、直江、堀岡、沼田、横川、山田、鍬原、山崎友、山本



☆ウィーラー
2007年、ドラフト19巡目でブリュワーズに指名され契約。
この年はルーキーリーグで59試合、打率.300、本塁打3、打点23、盗塁2。
2008年、1Aにて137試合、打率.258、本塁打13、打点87,盗塁12。
2009年、1Aにて125試合、打率.268、本塁打7、打点64、盗塁13。
2010年、2Aにて135試合、打率.275、本塁打11、打点65、盗塁8。
2011年、2Aと3Aでプレーして、2Aでは65試合、打率.272、本塁打8、打点32、盗塁7。
このオフにメジャー40人枠に入る。
2012年、オリオールズに移籍、主に2Aと3Aでプレーして、2Aでは97試合、打率.268、本塁打10、打点45、盗塁2。
2013年、主に3Aでプレーして、90試合、打率.268、本塁打10、打点45,盗塁2。
このオフにFAとなってヤンキースとマイナー契約を結ぶ。
2014年、シーズン前半は3Aにて66試合、打率299、7月3日にメジャー契約を結び、同日のツインズ戦でメジャーデビュー(8番サード)、そして第二打席でメジャー初安打となる本塁打を放つ。
その後、一度は3Aに降格するが、メジャーで29試合、打率.193、本塁打2、打点5を記録する(この年はイチローと黒田博樹とチームメイトだった)
そして11月にヤンキースが彼の保有権を楽天に譲渡し、1年契約を結ぶ。
ここまでがアメリカでのキャリアとなる。



楽天入団の2015年、日本ハムとの開幕戦で2番レフトでデビューし、第四打席にMLB時代と同じ初安打が本塁打という珍しい記録を作る。
しかし、シーズン前半はなかなか日本の野球にアジャスト出来ずに一軍と二軍を往復する状態だったが、8月上旬の一軍復帰後は息を吹き返してチームの四番に定着する。
この年は91試合、打率255、本塁打14、打点50。
オフの契約更新を勝ち取る。
2016年、開幕からスタメンに定着し、指名打者だけではなくサードや外野もそれぞれ50試合近く起用され、ユーティリティーさを発揮する。
バッティングでは交流戦では7本塁打の大活躍を見せ、結局この年は、140試合で打率.265、本塁打27、打点88という好成績を記録する。
2017年、開幕当初は不振に苦しんでいたが、5月から調子を上げて7月まで打率3割前後をキープする。
シーズン終盤に不信に陥るが、この年は142試合で打率.271、本塁打31、打点82をマークし、打率と本里打は前年を上回る。
更に初出場となったクライマックスシリーズでも2本の本塁打を放つなどの活躍を見せた。
オフには推定年棒2億円の2年契約を結ぶ。
2018年、外国人選手としては異例の副キャプテンに指名される。
しかし開幕からパッとしない成績が続いてしまい、6月の交流戦で左手人差し指を骨折して戦線離脱。
8月上旬に復帰を果たすが、この年は106試合の出場にとどまり、打率269、本塁打15、打点58という結果で終わった。
2019年、春先は開幕戦でいきなり本塁打を放つなど、まずまずの成績を残していたが、6月から打撃不振に陥り、8月には二軍降格を命じられてしまう。
それでもシーズン終盤のCS出場がかかったソフトバンク戦で、千賀から値千金の逆転2ランを放って勝利に導いた。
2020年、チームはオフに二人の新外国人野手を獲得し、その影響で開幕は一軍の外国人枠から漏れて二軍スタートとなった。
そして開幕の一週間後に巨人へのトレードが発表される。
以上が楽天でのキャリアとなる。



巨人に移籍した2020年は、持ち前の明るい性格と野球に対する真摯な姿勢でチームの連覇に貢献。
特に前半戦は怪我と不振に苦しんだ新外国人パーラの穴を埋める活躍を見せたが、後半戦は不振に陥ってスタメンから外されるケースが多くなってしまう。
結局、この年は98試合に出場し、打率.243、本塁打12、打点36という不本意な結果で終わる。
2021年は、チームが新たに新外国人野手二人(テームズ、スモーク)を獲得し、当初は二軍スタートが濃厚な状況だったが、コロナ禍で新外国人の入国が大きく遅れた為、開幕から一軍スタートとなる。
開幕から絶好調でチームの勝利に大きく貢献していたが、4月3日にコロナの陽性反応が出て急遽抹消される。
そして24日に一軍復帰するが、その3日後にスモークとテームズが一軍登録された為、好調を維持しながらもスタメンから外されてしまうが、その日のヤクルト戦でテームズがシーズン中の復帰が絶望となるほどの大怪我を負い(その後、契約解除)、交代選手として出場する。
そして、その試合と翌日の試合で7打席連続安打をマークし、その後もしばらくは好調を維持して22試合連続ヒットを続けた。
前年同様、後半戦はやや調子を落としたが、それでも規定打席には僅かに達しなかったものの、121試合に出場して打率.289、本塁打15、打点56という結果を残し、岡本と共に軒並み不振が続いていた他の主軸の不調をカバーする活躍を見せた。
そしてオフにはその活躍が評価されて1億1000万の1年契約を勝ち取った。
以上、これまでの彼のキャリアを振り返った。



<プレーヤーとしての特徴>
➀プロのレベルでは決して守備力が高いとは言えないが、一塁・二塁・三塁・左翼を無難にこなすユーティリティー性が持ち味。
➁加齢とともに脚力は落ちているが、若い頃はスピードもそれなりにあった。
➂楽天時代に31本塁打を記録したように強打は持ち味だが本塁打を量産するタイプではなく、どちらかというと外野の間を鋭いライナーで抜いていく中距離ヒッター。
➃バッティングスタイルはどちらかというと「詰まりを嫌がるタイプ」で常に打つポイントを前目に置いている。
➄初球から積極的に仕掛けていくタイプで、ストライクゾーンに来たボールなら狙っていない球種でも反応する。
➅バットの軌道から推察すると典型的なハイボールヒッターで、ストレート系に強く落ちるボールに脆さがある。
➆バットに当てるのが上手く、ライナー性の打球が多い右打者なので併殺打も多い。
➇打席でのクレバーさを感じる打者で、狙い球の絞り方が上手い。
➈体幹の弱い日本人打者なら俗に言う「手打ち」で修正が必要なバッティングフォームだが「体幹の強さ」と「腕力の強さ」でそれを感じさせない強い打球を放つ。



<彼の抱える課題と今シーズンの期待>
楽天時代は今よりもテイクバックをしっかりとって引っ張りの意識が強い打者のイメージだったが、一昨年後半から明らかにバッティングスタイルを変えて、テイクバックを極力小さくして無駄を省き、逆にフォロースルーを意識的に大きく取っている。
それと共に打つポイントを以前よりも前目に置いて、ストレート系に差し込まれないように意識しつつ、変化球は曲がり際を捉えるイメージで打席に立っている。
一昨年はこの新スタイルがなかなか上手く行かずに、上半身と下半身の連動性がない「手打ち状態」のスイングが続いて全く結果が残せていなかったが、そのスタイルを簡単に変えることなく続けた事でようやく自分のモノにして去年の好成績に繋がった。
恐らく、セリーグはパリーグよりもパワーピッチャーが少なく、どちらかというと変化球でかわす配球が多いので「しっかりスイングする事」よりも「ミート中心のスイング」に変えたと思う。
ぶっちゃけ、去年のキャンプやオープン戦のスイングを見ていたら「長打はあまり期待出来ない」と予想していたが、シーズンに入ると筆者の予想を大きく裏切ってくれた。
外野の膨らみがない東京ドームならこのバッティングでも十分に逆方向にもスタンドイン出来るので、筆者の想像以上にクレバーな選手だったという事だろう。
筆者がその変化に気づいた時には、一昨年後半の上半身と下半身が連動していなかったバッティングがキッチリ修正され、下半身が先に動いてバットのヘッドが遅れて出てくるインサイドアウトのスイングをモノにしていた。
ぶっちゃけ、首脳陣は新外国人のテームズとスモークに期待していたと思うが、彼は密かに自身の爪を研ぎ澄ましていた。



しかし、絶好調だったシーズン前半と比べると、シーズン後半は物足りない成績になってしまった。
この原因の一つとして考えられるのは、各チームが彼の弱点である内角を突いて詰まらせることにより、彼の「インサイドアウトにスイングする意識」を薄めさせたことが最大の要因と見ている。
特に内角のツーシーム系に対して無理にバットを内側から出そうとすると、どうしても詰まって内野ゴロになりやすい。
詰まるのを非常に嫌がる彼にとっては自分のバッティングを見失いやすい状況になってしまった。
過去の内角を苦手にする打者を見ても、何とか打とうとして体を開いて対応しようとするケースが多く、こうなると遅かれ早かれバッティングを崩すので得策とは言えない。
この場合、最も理にかなった考え方は「無理に手を出さないこと」で、特に右投手のツーシーム系や左投手のカット系は見送ればボールになっていることが多い。
逆の見方をすれば、実は内角ギリギリを狙ったボールが甘く入るとホームランボールになるので、相手バッテリーは大きな負担となっているということ。
これが長打の少ない打者ならバッテリーも気楽に内角を攻められるが、ウィーラーのような一つ間違えると長打を喰らう打者にはかなりのリスクが生まれる。
イニング、点差、アウトカウント、試合の流れなどで攻め方が全く変わってくるが、基本的には内角球を強打者に投じるのはバッテリーにとっては諸刃の剣であると、対戦する打者は頭に入れておいた方が良い。
言い方を変えると、特に内角を狙った右投手のツーシームや左投手のカットボールはあくまでも「誘い球の域を出ないボール」であること。
カウント球ではファールを打たせることが狙いで、勝負球ではもっと厳しいコースを狙って詰まらて討ち取ることを考えるが、それもこれもあくまで打者が手を出してくれることを想定しての事。
例えば、阪神の西勇揮はツーシームを得意球にしているが、右打者がこのボールに手を出さなくなると配球的には一気に手詰まりになる。
それでも内角をしつこく攻めてくると思うが、ボール先行になれば必ず甘いコースに投じざるを得なくなる。
確かに内角球は強打を売りにする打者にとっても詰まらせられる邪魔なボールだが、一方で少しでも甘くなったら長打に出来る「舌なめずりするボール」とも言える。
そういう意識で打席に立ち、試合状況やボールカウント、アウトカウントを頭を入れられれば、おのずと狙い球を絞りやすくなる。



そして、ウィーラーについて話を戻せば、彼もシーズン終盤は無理に内角球にケンカしないで打者有利なカウントを作り、甘くなったボールを捉えている形を何度か見られるようになった。
今年も同じ攻め方をしてくると思うが、大事なのは「内角球を捨てる勇気」を持って打席に立てるかどうか?
ここで再び強引になってしまうと、バッティングを早々に崩して不振のままシーズンを終える事も十分に考えられる。
今年も更にライバル二人が新加入し、しかも去年の開幕時には居なかった中田翔というライバルもいるので彼の立場は更に厳しい状況と言わざるをえない。
しかし、今年も新外国人の入国が遅れているので、開幕時は彼にも多くのチャンスが生まれるかもしれない。
又、去年のように新外国人が総崩れして再び彼に頼る状況が生まれるかもしれない。
彼の明るい性格とファイティングスピリットは、チームに様々な有形無形の相乗効果を呼び込む力を秘めている、
今年も坂本勇人とはまた違うキャプテンシーでチームを先導して欲しい。
頼むぞ大魔王!!

以上 敬称略
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