読売ジャイアンツvs東北楽天ゴールデンイーグルス オープン戦二連戦まとめレポート 「野手編」2022.3.20~21
【スコア】
楽天 000 100 010 2
巨人 000 000 010 1
<巨人P>滝中(1~6回1/3)渡邉(6回2/3~6回3/3)西口(7)松原(8)
<楽天P>赤星(1~6)今村(7)畠(8)高梨(9)
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楽天 010 010 011 4
巨人 000 110 010 3
<巨人P>戸郷(1~4)メルセデス(5~6)高梨(7)デラロサ(8)大勢(9)
<楽天P>田中将(1~6)小峯(7)藤平(8)弓削(9)
【ジャイアンツオーダー/攻撃経過/野手短評】
☆吉川尚輝 7打数1安打
彼の場合、調子が悪い時は安易にバットコントロールだけに頼って手打ちの状態でレフト方向に打球が集中する。
初戦は打球方向がセンターからレフト方向に偏っており、決してバッティングの内容が良いとは思えなかったが、二戦目は打球方向に偏りが見られなかった。
結果は僅か1安打のみではあったが、相手投手の調子次第ではいつでもマルチヒットを記録する状態にあると見ている。
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☆廣岡大志 5打数2安打1四球
今年はバッティングアプローチを大きく変え、以前はややバットが遠回りして強引なスイングが目立っていたが、今はポイントをキャッチャー寄りに置いて、バットを内側から出す意識を徹底している。
彼は元々「懐の深い打者」なので、東京ドームなら右中間スタンドに放り込む技術は持っている。
又、多少差し込まれたり、バットの上っ面に当たってもスタンドインするパワーも兼ね備えている。
つまり、打者としてのポテンシャルは先輩の岡本和真に匹敵するし、脚力のある分ある意味魅力的なのかもしれない。
しかし、今まではそれを活かせていなかった。
それは何故なのか?
その答えを去年のオフから考え抜いた結果が内川との自主トレだったと思う。
そして今年、ここまでは故障離脱はあったが何とか開幕直前に復帰して結果も残している。
また、報道などから漏れ伝わる彼に対する首脳陣の期待値はかなり高い。
つまり、今は吉川尚輝とのレギュラー争いから一歩抜け出すチャンスという事。
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☆坂本勇人 4打数1安打
周囲の雑音などは気にせず、ゆっくりと着実に状態を上げていたが、二戦目の試合前の練習中に上半身のコンディション不良を訴えたようで、そのまま病院で検査したらしい。
まだ詳しい発表はないが、恐らく脇腹か腰の故障だと思う。
仮に彼が1か月以上の長期離脱となればチームにとって非常に痛い。
バッティングとショート守備でバランスの良い内野手は皆無に等しいので、一方を優先すれば一方が厳しくなる選手を起用せざるをえなくなる。
例えば、それなりに実績がある中堅選手のなかで、廣岡や若林(左林)なら攻撃面で期待出来るがショート守備ではどうか?
増田大は守備はまずまず固いが攻撃面のマイナスがどうなるか?
それなら思い切って実績のない若手の湯浅大、中山礼都、増田陸を起用するのか?
首脳陣の決断が迫られている。
☆ポランコ 8打数1安打1打点
ヒットこそ一本のみではあるが、バッティングは間違いなく上向き状態にある。
特に二戦目の内容を見ると、スイングを崩されることがほぼ無くなっているので、あとは微妙なズレというかタイミングの問題。
今はやや内角ストレート系に差し込まれるケースが目立つが、近年の巨人外国人打者と比べるとこのボールへの反応は上位に入る。
NPBレベルのストレートなら十分に対応出来るスイングスピードはあると見ている。
バッティング技術、体力、俊敏性については全く問題ないし、流石、元MLBトッププロスペクトで素晴らしい能力を持っている。
あとは彼の「やる気」にかかっていると思う。
この四試合で日本野球のレベルの高さを十分に認識した筈で、今日からの木曜日までの三日間が非常に大事になる
この最終調整期間で目の色を変えて練習(研究)する選手なら、間違いなくNPBで成功するだろう。
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☆岡本和真 8打数2安打2打点2本塁打
もう彼のバッティングついては注文することは何もない。
➀力感の無く隙の無い構え
➁自然体でテイクバックに入る
➂テイクバックからインパクトまでは無駄がないコンパクトな動き
➃大きなフォロースルーでボールを遠くに運ぶ
去年までは➀と➁で力みを感じた(力みによってテイクバックで右肩が引っ張られて左肩がロックする状態)が、今年はここまでそのような兆候は全くない。
力みが無くなっているから➂に繋がっている。
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☆中田翔 4打数2安打
元々「衝突タイプ」の打者なので、調子を落として力んでくると上体が突っ込みがちになる。
しかし。ここまではテイクバックからインパクトの過程で頭の位置が全く動かずコマのように軸回転している。
これはしっかりと右の軸足に重心を置いていることを証明しており、ボールを長く見れる状態である事も意味している。
また、上体が前に出ないので、バットが体から離れることなく自然と内側からスイング出来ている。
非常に良い状態で開幕を迎える事になるが、一方で本番では厳しい内角攻めが予想される。
ここで彼がムキになって左肩の壁を崩し、無理に打とうとすると元の木阿弥になる可能性が高い。
「いかに打席の中で平常心を保つか?」
錆びついていた技術と体力が戻りつつある今季はここが最大のポイントになる。
☆ウィーラー 5打数0安打2四球
彼に関しては自身のバッティングスタイルを完全に確立しているので、無安打ではあるが調子落ちした印象は全くない。
むしろ、ここからの最終調整で調子を上げ潮にして開幕を迎える可能性の方が高い。
今年、去年と比べて大きく成績を落とすなら、それは年齢的な衰えによるものだろう。
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☆ウォーカー 7打数1安打
バッティングはともかく、この外野守備ではぶっちゃけ厳しい。
特にスローイングが酷いので、公式戦では「狙われる」可能性が極めて高い。
これが少しでも改善されない限り、交流戦のDH要員の域は出ないと思う。
又は、往年の元近鉄ブライアントのような、短期間で神がかり的に本塁打を量産しないと首脳陣は彼の守備力を無視できないだろう。
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☆丸佳浩 5打数4安打1打点1本塁打
マー君から放ったバックスクリーン上部にぶち込んだ一発は、久しぶりにバットのヘッドがスパッと抜けた完璧なバッティングだった。
先週の中日戦後のコラムで彼の調子については「上昇傾向」と評価していたが、他の打席も含めて明らかに二週間前の状態とは違う。
これまでに何度も指摘しているが、彼のバッティングの状態を計るポイントは打球方向で、テイクバックから振り出すときの膝の割れが我慢出来れば、踵体重にならずに右肩の壁もなかなか壊れない。
ここが早々に壊れずに我慢出来れば、長くボールを目で追うことが可能になり、テイクバックで溜めたパワーをインパクトで爆発出来るので、逆方向への強い打球が自然と増えてくる。
逆にここが我慢できずに早めに壊れてしまうと、力が分散して「捉えた」と感じた打球もひと伸び足りずに失速し、頭が動いてボールの見極めが悪くなり空振り率も上がってしまう。
彼は非常に良い状態で開幕を迎える事になった。
☆松原聖弥 3打数0安打
折角、週末のロッテ戦で爪痕を残せていただけに、彼にとってスタメンで出場した楽天との二戦目は非常に大事だった。
彼は「振りたいタイプ」の打者で、積極的にスイングする事で調子を上げていくタイプの選手。
それで一番打者として文句のない数字を残せていれば何も問題は無いが、去年の数字は打率と本塁打はまずまず合格点だが、一番打者としては出塁率があまりにも低い。
彼の積極性はビタっとハマれば手がつけられない状態となり、一気にヒットを量産するし長打も増えてくる。
つまり、結果が出ている時はメンタル的に「平常心」になって、無理に自分から仕掛けに行かずにある程度ボールをセレクト出来るが、少しでも悪い結果が続くと「打ちたい」という気持ちばかりが先行して空回りになってしまう。
それについて筆者は常々「野球脳」という表現を使い「考えてプレーをする必要性」を説いてきたが、今回はそれに伴う技術的な欠点も指摘しておく。
彼はその「打ちたい」という状態になると、どうしてもテイクバックからインパクトまでの過程で左肩が早く出て来てしまう癖がある。
左肩が早く出るということは、当然スイングを途中で止めようとしても止まらなくなるので、低めの落ちるボールの空振り率が上がり、しかもインパクトで左手でバットを被せる(こねる)スイングになるので、ひっかけ気味のセカンドゴロやファーストゴロを量産してしまう。
今一度言いたい!
「野球脳を使ってプレーしよう」
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☆大城卓三 6打数0安打1四球
先週の中日二連戦後のコラムで、彼の調子については「下り坂の入り口」という表現を使ったが、残念ながら今の状態は明らかに良くない。
本当は実際にバットスイングを見せて説明したいが、そうはいかないので文章で説明すると「必要以上に反動を使ってスイング」をしていること。
ここ数試合、対戦した相手投手が速いストレートを投げるタイプが多かったので、そのボール負けまいと力んでスイングする傾向が強くなっていた。
その結果、下半身主導のスイングを忘れて、上半身主導の淡白なスイングが増えてしまっている。
開幕までの最終調整でどこまで修正出来るか?
これまでは一度調子を落とすとなかなか上がってこなかったが、この短期間で修正出来れば。それは彼自身が新たな「引き出し」を得た事になるので頑張って欲しい。
【総評】
坂本勇人がコンディション不良ということで、仮に開幕に間に合わなければ非常に痛い。
右打者の懐をガンガン突いてくる投球が持ち味の大野雄大にとって、内角球の捌きが天下一品の坂本は巨人打線の中で最も嫌な打者だと思っている筈なので、その打者が抜けると大野に与えるプレッシャーは半減してしまう。
但し、不幸中の幸いという訳ではないが、大野を得意としている廣岡が一軍に復帰し、この二連戦でも中身の濃いバッティングを見せているので、彼が坂本の穴を攻撃面ではカバーできるかもしれない。
しかし、やはり不安なのは守備面であり、特にショートの場合はスローイングの強さと正確性が問われるので、前者は問題ないが後者に不安が残るので、そこは心配材料となる。
坂本が無事なら開幕戦では廣岡をセカンドで起用する構想もあると思うが、果たして坂本は開幕に間に合うのか?
個人的には不安が残っているなら無理すべきではないと思う。
尚「投手編」は明日の夕方に公開する予定です。
以上 敬称略
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