読売ジャイアンツvs東京ヤクルトスワローズ 5回戦レポート 2022.4.9
【スコア】
ヤクルト 100 001 0000 2
巨 人 100 100 0001X 3
勝利投手 大勢 (1勝0敗7S)
敗戦投手 梅野 (2勝1敗0S)
本塁打 塩見 2号(1回表ソロ)、大城 2号(4回裏ソロ) 、立岡 1号(10回裏ソロ)
【ジャイアンツ出場野手評価/状態チェック】5点満点
☆吉川尚輝 3打数1安打(得点1)
・評価2点
第三打席の得点圏で走者を置いた場面で惜しくも代打を送られてしまったが、こういう場面で代打を送られない選手に早。なって欲しい、」
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
下半身を使わないで上体だけのスイングが増えてきているのは危険な兆候。
ここが踏ん張りどころである。
☆坂本勇人 5打数1安打
・評価1点
第一打席の二塁打は見事だったが、それだけだった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
調子を明確に落としているようには感じないが、好調とも言えない状態が続いている。
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☆ポランコ 4打数2安打1打点
・評価3点
同点打となった二ゴロ、二つの二塁打は上々の内容だった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↘)
今試合終了時は(➡)
まだまだこんなものではない。
もっとバットが体の内側から出るようになれば、ラインドライブの打球が減って打球の角度も上がってくる。
クレバーな彼には是非とも日本仕様のバッティングを身に付けて欲しい。
目指す打球方向はセンターから左中間方向だ。
☆岡本和真 1打数0安打2四球1死球
・評価2点
6回表の守備で記録上ではエラーになっていないミスを犯してしまった。
一方、バッティングは相手がまともに勝負してくれず、打数はわずか一つだけ。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
見送り方を見ると徐々に上向いているように感じるが、まだ好調といえる段階には達していない。
少し上半身が力んでいるので、バットの抜けがあまり良くない。
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☆中田翔 3打数1安打
・評価0点
5番打者としてチャンスの場面で悉く凡退していては評価は上がらない。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
チャンスの場面ではヤクルトバッテリーのツーシーム攻めにムキになってしまっていた。
あのボールを無理にフェアゾーンに居れようとすると詰まり、思い切り開いて打とうとすると低めに沈んでいくチェンジアップ気味の落ちるボールに対応出来ない。
走者が居ない時はツーシームを無理に打とうとはせずに、しっかりと打つべきボールをセレクト出来ていた。
☆丸佳浩 4打数0安打
・評価1点
バッティングでは結果を残せなかったが、5回表の先頭打者のセンター右後方のフライをフェンスを恐れずに好捕。
リードした直後だっただけに非常に大きなプレーだった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(↘)
技術的には膝の割れが早くやや踵体重になっている点が気になる。
それが如実に感じたのは最終打席で、簡単に追い込まれたの外に大きく逃げていくツーシームを空振りしてしまった。
普通の状態なら簡単に見極められるボールだっただけに心配している。
袋小路になる前に修正して欲しい。
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☆ウィーラー 4打数1安打
・評価0点
第一打席は味方を鼓舞する二塁打(ヘッドスライディングを敢行)を放つが、その後の自信の走塁ミスでチャンスを潰してしまう。
他の打席も結果を出せなった。
走塁ミス
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
まだまだ自分のポイントまで引き付けることは出来ていない。
どちらかと言うと最終的には当てに行くようなバッティングになるケースが多い。
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☆大城卓三 4打数1安打1打点(得点1、本塁打1)
・評価4点
バッティングでは一時は勝ち越し弾となる一発を放ち、キャッチャーとしても初登板のシューメーカーを上手くリードしていた。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
ホームランの打席は久しぶりにテイクバックからフォローまで下半身と上半身の連動性を感じるスイングだったが、他の打席を見るとまだまだ本調子とは言えない。
もう少し早めに始動し、そこからトップの形をバチっと作った方が、もっと下半身主導のスイングになると思う。
まだまだバットコントロールに頼ってしまっている。
岡本和真クラスのポテンシャルを秘めているだけに非常に勿体ない。
☆ウォーカー 1打数1安打
・評価1点
代打として7回裏に登場し、同点のチャンスを演出する二塁打を放った。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
相手の田口とは二日続けての対戦となり、前回は内角スライダーの出し入れに全くついて行けずに三振してしまうが、今回はキッチリと「お返し」出来た。
まあ、まだまだ技術的に課題は山積みではあるが、技術的に彼のバッティングを見て非凡に感じるのは膝の使い方(膝の柔らかさ)。
現状は他の欠点でその良さを消してしまっているが、これから修正されていくと一気に開花する可能性は十分にある。
だからこそ、原監督も彼の守備にはある程度目を瞑って起用していると思う。
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☆立岡宗一郎 1打数1安打1打点(得点1、本塁打1)
・評価5点
僅か一打席での結果ではあるが、最高評価の5点を与えても異論はないと思う。
先頭の坂本が初球を打ちに行き凡打したので、相手バッテリーは続く立岡が初球から打ちにくるとはあまり考えなかったと思う。
つまり、野球界のセオリーとしては「前の打者が初球に手を出して凡退した場合、次の打者は初球を見送る」ことになっている。
勿論、相手バッテリーは試合終盤なのでそれなりに注意はしていたとは思うが、このセオリーが頭の片隅にあったことも間違いないだろう。
やはり、梅野は気持ちが入り切っていない中途半端なストレートを投げたと思う。
筆者も経験があるが、こういうストレートは威力をあまり感じない。
高めのボール球ではあったが、立岡は一発で仕留める事が出来た。
もしかしたらこの初球こそが、立岡が梅野から打てる最初で最後のボールだった可能性が高い。
まさに彼の攻撃的な姿勢が功を奏した。
苦労人の彼の劇弾は、見ていた我々ファンの胸を熱くさせただけではなく、停滞気味だったチームの雰囲気をガラっと変える一打だった。
後段で詳しく触れるが、この試合はぶっちゃけ巨人ベンチの用兵ミスで試合を落とす可能性が高かった。
又、該当選手の拙攻と拙守も散見された。
これらすべてをチャラにする彼の劇弾は、多くの関係者が胸を撫でおろしているだろうし、何よりも「大勢のイニング跨ぎ」という禁じ手を使わずに済んだ意味も大きい。。
ありがとう!! ナイバッチ!!
・バッティングの状態
前試合終了時は(ー)
今試合終了時は(ー)
この一振りだけではバッティングの調子は判断できない。
【ジャイアンツ登板投手総評】5点満点
★シューメーカー 6回2/3、被安打5奪三振5与四球3失点2(自責点1)
評価3点
140キロ台中盤の「動くストレート」と落差のあるフォークを軸に、スライダーとカーブを織り交ぜながらヤクルト打線を抑えていた。
結果として与四球は三つだが、制球面の心配も殆ど感じられず投手としてのレベルは高い。
このピッチャーの全盛期はさぞかし素晴らしい投手であっただろうと想像出来る内容だった。
特に目についた球種はフォークボール。
チェンジアップ的な効果も感じられるほど、ボールの抜けが非常に良い。
それといつでも簡単にカウントを稼げる縦割れのカーブも良かった。
但し、このボールは狙われると一発の危険を感じる曲がり方なので、勝負球で使うにはリスクがあるが、カウント球としては非常に有効なボールになる。
ストレートに関しては、低めに決まれば微妙に動くのでゴロアウトを量産するだろう。
メジャーでは明らかに球威不足だが、NPBならまだまだ活躍が見込めるかもしれない。
最後に今後の課題としては、やはりセットポジションでの投球になる。
やや球威が落ち、制球力もアバウトさが増してしまう。
彼も色々工夫しているので頼もしいが、これから相手チームはしつこく足で揺さぶりをかけてくるだろう。
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★高梨雄平 1/3回、被安打0奪三振1失点0
評価1点
走者を得点圏に置いた場面で、この二試合、いいようにやられている太田を封じるために投入され、見事に抑えた。
★鍬原拓也 2回、被安打1奪三振1失点0
評価3点
調子自体はそこまで良くなかった。
ストレートがシュート回転で甘く入るケースが多く、スライダーもやや抜けていた。
それでも2イニングをほぼ完璧な内容で抑えられた理由は、間違いなくストレートの球威で打者を押し込めている事。
今シーズン生まれ変わった鍬原のストレートをキッチリと捉えられたケースは皆無に近い。
このストレートがあるからこそ、変化球が少々甘くなっても相手は打ち損じてファールにしてしまう。
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★大勢 1回、被安打0奪三振1失点0
評価3点
至極の1イニングだった。
先頭の塩見に対してはストレートで押し込んだ後に、最後はフォークで泳がせ右邪飛(松原の大ファインプレー)
続く青木に対してもストレート2球で簡単に追い込んだ後、こちらもフォークで泳がせて一ゴロ。
そして何よりも圧巻だったのは山田に対する投球だった。
二球続けてストレートが抜けてカラダ近くをえぐった後、そこから臆することなくストレートを三球続けて投げ、全て空振りの三振を奪った。
球場を熱狂させたこの圧巻の投球は味方の士気を高め、それまで自分たちのミスで相手に流れを渡していたチームに再び勇気を与えた。
通常なら2点評価だが、ただ抑えるだけではなくチームに勢いを与えたことを加味してリリーフ投手としては最高評価の3点となった。
【監督采配評価/試合総評】5点満点
原辰徳 評価1点
これから指摘することは、筆者の野球観の中での意見であり、勿論、様々な別の意見が有ってしかるべきだと思う。
そこはご理解頂いた上で読んで欲しい。
さて、賛否分かれるとは思うが「筆者が監督の立場だったらこうした」という視点で評価するなら、以下の二点が気になった。
➀7回裏、二死二塁のチャンスで吉川を下げて、代打中島を送ったケース。
➁8回裏、無死一二塁のチャンスで中田を下げて、代打松原を送ったケース。
➀については吉川を下げてまで代打中島に固執する必要があったのか?
勿論、長いペナントレースを考えれば、代打の切り札として機能させたい中島を積極的に起用することで少しでも調子を上げて欲しいという狙いは理解出来る。
しかし、リリーフの軸になっている鍬原をイニング跨ぎさせるくらい「絶対に勝ちたい」のなら、試合終盤の守備力を大きく落としてまでの起用するほどの現状の両者の「打力の差」があるとは思えないし、むしろ、こういう厳しい局面で「覚醒中の吉川」が結果を残すことこそが、後々チームに計り知れないプラス効果を生むと思う。
➁については岡本が申告敬遠で歩かせられることを果たして想定していたのか?
想定していなかったのなら増田大に準備させることはなかったので、これは単純にベンチのミスということになる。
しかし、想定していたなら決して送りバントが上手いとは言えない(むしろ下手」松原を代打で起用する意味がイマイチよくわからない。
勿論、打力もある松原の起用は、強攻策を相手にちらつかせることも出来るので、相手の守備陣形の関係でバントの成功率は上がる。
しかし、それでも作戦的にバスターの可能性が無く、送りバント一択なら、どう考えてもバント職人の増田大を起用すべきだった。
巨人ベンチとしては、内外野守れる増田大を最後までベンチに置いておきたいという事情はあるにせよ、それは余りにも消極的な采配と言わざるを得ない。
試合後の監督談話では、延長に入った場合は「大勢をイニング跨ぎさせていた」らしいが、鍬原のイニング跨ぎを含めて、この試合をどうしても落としたくないという思いの表れだと思う。
それなら尚更、この場面は最善策を取るべきだった。
【勝利の余韻】
苦労人・立岡宗一郎サヨナラ弾の興奮がいつまでも冷めず、その夜に巨人の公式YouTubeを見ていたら、その中で試合後のベンチでヒーローインタビューを待っている立岡に、岡本和真が「有難うございました」と声をかけていたのが非常に印象的だった。
その言葉には二つの思いが詰まっているように感じた。
「自分のエラーで勝てる試合を落としかねない状態から救ってくれたこと」に対しての感謝の言葉。
「四番としての責任感」から発せられた感謝の言葉。
まあ、普通に考えれば前者なんだろうけど、個人的には後者の思いもかなり含んでいると思う。
この映像を見た時「ああ、こうして巨人の歴史は繋がっていくんだなぁ。。と。。」
川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、原辰徳、松井秀喜、阿部慎之助、そして岡本和真。。。。
この歴代の生え抜き四番打者も、恐らくこの状況が再現されれば同じ言葉が出て来ていたと思う。
つまり、令和の若き四番・岡本和真にもレジェンドたちから受け継がれてきた「スピリット」と「伝統」をしっかりと受け継がれていることが良く分かる一言だった。
この映像を見た筆者は立岡のサヨナラ弾の瞬間と同じくらいの嬉しさと同時に涙が込み上げてきた。
周囲からは村上との比較で「味方を鼓舞する若きリーダー村上」と「寡黙な岡本和真」というように評価が分かれているが、決してそんな事は無いと思う。
エラーした後の6回裏の第三打席は明らかに「燃える男」になっていた。
結果は残念ながら三振ではあったが、あのギラギラした目、絶対に打ってやるというオーラは、凄まじい空気感を醸し出していた。
もう一度言う、岡本和真は決してクールな男ではない。
「燃える男」長嶋茂雄の系譜を引き継いだ「熱い漢」である。
ただ、ほんのちょっぴり村上よりも「照れ屋さん」なだけ。。。
筆者は今年の岡本和真は「とてつもない数字」を残すと確信している!!
3割、50本、120打点
ライバル村上宗隆よりも大きく前に進むだろう。
以上 敬称略
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