【キャンプトピックス】
☆菅野智之が今キャンプ初のブルペン入り
キャーチャーを立たせた様態で16球、座らせて30球の計46球を投じた模様。
☆本塁打王奪還に燃える岡本和真
真ん中から外角寄りのストレートはセンターから右中間方向へ打球を飛ばし、内角に来たボールに対しては、反応でやや差し込まれ気味ながらも上手く腕を操作してスタンドへ運んでいた。
去年の悪かった時と比べると右足に重心を長く置く意識が高いように感じた。
☆注目のドラフト2位、萩尾匡也
タイミングを計るのが抜群に上手く、自然体で出来ているので非凡さを感じる。
全体的な体のフォルムはまだまだ細いが、形を崩さずにしっかりとスイング出来ているのは始動からトップの過程で無駄がないことが大きな要因。
バットのヘッドも効いているので打球も良く飛ぶ。
フリーバッティングだけで判断するなら十分に一軍で場数を踏めそうなレベルにはあるが、これから実戦でどこまで練習のスイングを再現できるか?
☆何と両外国人野手もアーリーワークに参加する
他の選手とはメニューが違うが、ウォーカーとブリンソンのその心意気には胸が躍る。
【読売ジャイアンツの現状分析】
~その2 野手編~
☆リーグワーストだったチーム打率
大雑把に言えば、これまでチーム打率を底上げしていた坂本の故障離脱と、軸の岡本が例年以上に打率を落としてしまった事が最大の要因だった。
彼らの分を他の主軸である丸(打率.272)、中田(打率.269)、吉川(.277)がカバーしきれず、更に新戦力ポランコ(.240)とウォーカー(.271)も確実性という面では欠けていたので、チーム全体の底上げには繋がらなかった。
更に掘り下げて振り返ると、開幕からしばらくはニューリーダーの岡本と吉川が打線を引っ張っていたので、他の主力の多少の不振は問題なくカバー出来ていたし、両外国人の打撃力をチーム全体の攻撃力向上につなげる事が出来ていた。
しかし、吉川がデッドボールを境に急降下、更にキャプテン坂本の離脱から雲行きが急激に怪しくなり、責任感の強い岡本も焦りばかりが先行して袋小路に突入してしまっていた。
それでもシーズン後半から中田が劇的に復活してチームを引っ張っていたが、岡本の停滞は変わらず相殺される形になったので、最後まで得点力アップには繋がらなかった。
☆リーグワーストの犠打と犠飛が意味することは?
狭い東京ドーム、神宮、浜スタなどでは持ち前の「空中戦」で優位に立つことが少なくなかったが、逆にフィールドが広い甲子園、バンテリン、マツダでは「打線の繋がり」がないとなかなか複数点は望めないので厳しい戦いが続いてしまった。
特に二年続けて阪神に負け越してしまった事が、チーム成績低下に繋がってしまっている。
更に突っ込んで言えば以前はホーム以上に優位に結果を残していた甲子園で勝てなくなったことが重くのしかかっている。
これは両チームの投手力に差が出てきたことも大きいが、それ以上に「若くて動ける野手」が主軸になってきた阪神と、主力野手が高齢化して「動けない野手」が多くなってきた巨人という図式によるものが最大の要因と見ている。
多少本題から話はズレたが、要はこういう事である。
ぶっちゃけ犠打で一塁走者を二塁に進塁させてもワンヒットで一気に生還できる野手が極端に少ないということ。
更にノーアウト・ワンアウトで三塁に走者が居ても、浅めの外野フライでは本塁に還ってこれないという現実が幾度も繰り返してしまっていた。
勿論、他球団よりもバント失敗や他の細かいミスも多いが、前述の理由で必ずしもこうした「スモールベースボール」が好結果に繋がるとは言えないと首脳陣も認識しながらオーダーを組み作戦を実行していたと思う。
そういう首脳陣の思惑というか「苦肉の策」は必ず選手にも伝わるし、しかも実際に「何でこのヒットで本塁に還れないんだ?」という場面を繰り返せば、場合によってはモチベーション低下にも繋がってしまう。
そうなれば結果が何よりも欲しい選手たちには、外野手の頭を越す打球を飛ばそうとする意識(スイングが大きくなる)が生まれるのは、至極当然の成り行きということ。
そして、ここまで来ると更に悪循環になって、首脳陣が重要な場面で「進塁打」「送りバント」「犠飛狙い」を指示しても、普段からその意識が希薄になっている状態では成功率は絶対に上がらない。
つまり、こういうゲーム運びを幾度もネット裏から解説者として見てきた新任の大久保コーチは、それらのチームプレーを再認識させる必要性をかんじつつ、その練習を組んでいるんだと思う。
☆非常に痛かった中堅野手の停滞
前段ではスモールベースボールが出来なくなったチームの悪循環を指摘したが、この「躍動感の乏しいチーム」にしてしまった元凶は中堅野手である松原聖弥、若林晃弘、重信慎之介、石川慎吾、北村拓己、廣岡大志、増田大輝、香月一也などの伸び悩み、不振、故障などによる「停滞」である。
石川、北村、香月などは決して俊足とは言えないが、それでもまだまだ体が動くので、常に故障の心配を抱えているベテランとは三塁コーチの指示(走者の扱い)が全然違うし、やはり松原、若林、重信、増田大あたりの「脚力を持っている選手」がもっと出場試合数を増やしていかないとチームに躍動感は出てこない。
まあ、彼らを飛び越えて、湯浅大、増田陸、秋広優人、中山礼都、大卒ルーキーの萩尾や門脇あたりが台頭すればそれにこしたことはないんだが。。。
☆攻走守のバランスを著しく欠いていた
本拠地が狭い東京ドームなので、攻撃力優先(大砲重視)の起用は決して間違いだとは思わないが、それでも去年は明らかに度を越していた。
首脳陣の開幕前の理想は、キャッチャー大城、ファースト中田、セカンド吉川、サード岡本、ショート坂本、レフトにポランコ、センター丸、ライト松原だったと推察する。
これが松原の不振によってレフトにウォーカーが入り、ポランコがライトで起用されたことによって特に外野の守備力が一気に低下してしまった。
それでも開幕からしばらしくは両外国人の打撃が好調で、その穴だらけの外野守備力は目立っていなかったが、4月24日バンテリンドームでの中日戦でウォーカーの拙守が露呈してしまうと、一気にチームは下降線に入ってしまった。
その後、ウォーカーは日を追うごとに守備力は上がっていたが、まだまだプロレベルとはお世辞でも言えないし、ライトのポランコも緩慢に見えてしまうプレーが多くなってしまった。
この穴だらけの外野陣は間違いなく他の野手(最もキツかったのはセンターとショートとセカンド)に負担がかかり、特に投手陣には心理的な大きな負担となり、チームのバランスを大きく崩してしまった。
☆他の若手中堅には見られない増田陸の「反骨心」に期待
チームの低迷期に必ず若い芽が出てくるのが「野球あるある」で、去年4位で終わった巨人にも僅かながらではあった。
それが増田陸である。
残念ながら入団前に期待されたショート坂本の後継者とはなっていないが、バッティングはようやくその片鱗を見せてくれた。
彼のバッティングで感心するのは、他の中堅若手には見られない「ボールに喰らいついていく強い気持ち」である。
その最たる例が交流戦で「令和初の完全投手」ロッテ佐々木から放ったタイムリーツーベースだった。
追い込まれても160キロ連発の剛速球に喰らいついてファールで粘りつつタイミングを徐々に合わせ、最後はキッチリと捉えてフェンス手前まで運んでいった。
更にもう一つは技術的な観点で評価できるのが、自然な形でフルスイング出来ること。
そのフルスイングも決して外回りの無茶振りではなく、下半身主導の軸回転なので、期待感は他のそれとは全然違っている。
高校時代から非常にリストが強く、非凡な才能を持っている選手だと、ドラフト指名当時の弊コラムでも指摘したが、ようやくその長所が活かされ始めている。
振り返れば、彼はドラフト2位での入団で大いに期待されていたが、度重なる怪我と伸び悩みで去年は育成契約からのスタートだった。
しかし、この崖っぷちに陥った状態が、彼の野球に対する姿勢に劇的な変化をもたらしたのかもしれない。
勝手に推察すると、ドラフトの評価としては非常に高い「高卒野手でのドラフト2位」という称号が、彼の場合は進歩を止めてしまったのか?
周囲からも必要以上に持ち上げられたり、本人もどこかで受け身になってしまっていたのかもしれない(俗にいう「やらされ練習」)
しかし、一昨年のオフに育成契約というまさに「地獄」に放り込まれ、一軍出場せずにプロを去るという屈辱が彼の本当の意味での危機感を呼び起こしたのかもしれれない。
必ずあるとは言い切れない「ラストチャンス」を思い描きながらのスタートで、常人ならモチベーション維持が難しかったと思うが、ここで彼の「負けん気」が大きくプラスに作用したと思う。
オフに坂本勇人の自主トレに志願し、キャンプは二軍スタートではあったが、ある意味人数合わせで呼ばれた最初の一軍紅白戦で結果を残し、そこから対外試合でもしぶとく結果を残し、オープン戦でもそれが続いた事で再び支配下登録を勝ち取った。
まさに彼の「ど根性」「執念」だった。
まあ、実質二年目となる今年は色々と壁にぶち当たることも多くなることが予想されるが、地獄に片足を突っ込んだ彼なら更なる飛躍が期待出来るだろう。
是非とも外野の一角に食い込んで欲しいし、躍動感あふれる彼がスタメンに常時加わればチームに相乗効果が生まれるだろう。
今年はホークスから熱男・松田が加入したが、彼のキャラクターに最も近い選手は今の巨人では彼しか見当たらない。
是非とも熱男の素晴らしい部分を彼が吸収し、それがチームの活性化に繋がることを心から望んでいる。
以上 敬称略
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