読売ジャイアンツの宮崎春季キャンプは今日から第3クールが始まり、明日からいよいよ実戦練習もスタートする。
一昨日の宮崎は非常に強い風に見舞われ、練習するコンディションは最悪だったが、今日は暖かい日差しと程々の風の中で絶好のキャンプ日和だった。
2月11日 巨人宮崎キャンプ 第3クール1日目
【天候】晴れ 15℃(正午)
【S班近況】
【ランチ特打】
両選手ともに手元までしっかりボールを引き抜けて、バットを体の内側から最短距離でスイングする意識で練習していた。
【フリーバッティング雑感】
★岡本和真と中井大介(vsポレダ)
個々のバッティングについては何度か過去の記事で触れているので、今回は二人を比較して感じたポイントを挙げていきたい。
まず二人のフリーバッティングで違いを感じるのは
①中井の方がスイングスピードは速い
②トップからバットを振りだす際の、腰から下半身の使い方が岡本の方が巧い
まず現状では中井の方が明らかにスイングスピードは速い。
彼の長所である肩から背中の筋肉の強さが、力強く鋭いバットスイングに表れている。
一方で岡本にはこれが不足している。
次に腰から下半身の使い方は岡本に分がある。
相手のモーションに合わせてトップを作り、そこから始動してボールが向かってくる間に微妙にズレが生じても、それを腰と下半身(特に膝)を使って瞬時に調節している。
一方で中井にはこれがない。
現状、練習や力の落ちる投手に対しては、中井の方が見栄えが良いバッティングをするが、相手投手のレベルが上がっていけば、岡本の方が対応出来る可能性が高い。
体の強さはあるものの関節の固さを感じる中井には、岡本のような天才的な柔軟性を求める事は出来ない。
勿論、これからもバッティングフォームの中で、柔軟性(対応力)を探求していかねば更なるレベルアップはないが、それも限度がある。
それなら、それを補う術を考えねばならない。
例えば「相手の配球を読む」事を磨いていけば、事前にある程度の球種やコースに的を絞れる訳で、好打の可能性は広がっていく。
彼には打席に入る前の準備段階で、もっと工夫が必要になる事を説いたい。
逆に岡本には何度も同じことを言ってるが「もっともっと素振りをして欲しい」
筆者の経験上、スイングスピードを上げるには素振りが一番効果がある。
上々の内容だった。
今日は直球を中心にスライダーも投げていた。
どちらも制球はまずまずで、直球に関しては低めのボールも力感十分で、打者に満足なスイングをさせていなかった。
スライダーも既に去年のシーズンと変わらない精度まで到達している。
これから更に磨いて、カウントを稼ぐボールと、ストライクゾーンから外れていくボールを使い分けられるレベルまで精度を上げていけば、研究されてる2年目も、去年並みの活躍を期待出来るかもしれない。
そして、これに使える球種をもう一つ加えれば、大化けも決して夢ではない。
又、去年よりクイックモーションが若干速くなっている。
オフにかなり練習してきた事が伺えるピッチングだった。
バットスイングを見ると、今キャンプでの調整が非常に順調である事が伺える。
コースに逆らわず綺麗にヒット性の打球を連発していた。
年齢的にはベテランになってきたが、まだまだ守備と走塁を含めた総合力はトップレベルなので、この選手が怪我なくしっかり外野の一角を占めると、チームにとっては非常に大きい。
相変わらずポイントを近くに置いて、直球に差し込まれる事を恐れず、バットを内側から出す意識が強いバッティングだった。
そんな中で、マイコラスの低めのカーブをライトスタンドのポール際に放った場面があったが、この形こそ彼には求めたい。
勿論、球種が分かっていた上でのバッティングではあるが、このホームラン性の打球は、逆方向のへの意識があるからこそ、バットのヘッドが残って拾うことが出来たと思う。
話は逸れるが、マスコミ各社の柵越え◯◯本という無意味で無駄な見出しは何とかならないものなのか?
マシーンや打撃投手が「打たせようとしているボール」を何本スタンドインしようが全く本番での参考にならない。
まあ、しいて挙げるなら「人並み外れたパワーを持ってる」という事だが。。。
それよりも「どういう意図を持ってバッティング練習をして、どういう内容だったのか?」
このような着眼点での記事を我々に提供してもらいたい。
筆者はギャレットの柵越え本数なんか全く気にしていない。
クイックでの投球を含めて、直球を中心にスライダーとカーブを交えながら8割の力で投げていた。
去年は大活躍のシーズンだったが、今年は他球団も血眼のなって研究してくるので、去年以上の数字を求めるのは酷かもしれない。
だが一方で彼にも去年一年間で掴んだ自信がある。
果たして今シーズンはどうなるのか。。。。
【ブルペン雑感】
☆澤村拓一
まだまだ全力ではないが相手に少しずつペースを上げていた。
そろそろ捕手を座らせて本格的な投げ込みが行われる模様。
☆宮國椋丞
去年大幅に変えたピッチングフォームだが、このキャンプでは「ぎこちなさ」が消えて、かなりスムースで力感溢れるようになってきた。
まだ実戦での投球を見ていないので何とも言えないが、ブルペンの映像だけを見ると、マシソンが仮に先発として使うのであれば、その代役の1番手は彼かもしれない。
勿論、セットアッパーとしては経験不足でメンタル面での不安は拭えないが、このゆったりとしたモーションからリリースの瞬間に力強くボールを切るピッチングフォームを見ていると、その期待感は膨らんでくる。
【シートバッティング短評】
走者を得点圏に置いた状況でのシートバッティングが行われた。
☆土田瑞起vs大田泰示 ショートゴロ
外のボールを強引に引っ張って三遊間寄りの強いゴロ
☆土田瑞起vs亀井善行 ファーストゴロ
内容的には亀井が押していたが、最終的にはファーストゴロとなった。
☆土田瑞起vs小林誠司 ショートゴロ
直球に遅れていたがスイングの内容は良かった。
最後はスライダーを引っ掻けて打たせられた。
☆土田瑞起vs片岡治大 セカンドゴロ
スライダーとフォークで追い込まれて、最後は内角の直球に差し込まれる。
☆土田瑞起vs立岡宗一郎 レフトフライ
際どいコースを見極めていたが、最後は外のボールをレフトに運ぶ。
✳土田の投じたボールには、それほど切れを感じなかったが、各打者の打ち損じが目立っていた。
★公文克彦vs村田修一 三振
内角の直球とスライダーでカウントを稼がれ、最後もスライダーで空振りに終わる。
★公文克彦vs坂本勇人 四球
早々に追い込まれる展開だったが、そこからボールを見極めて四球を選ぶ。
✳対ギャレットの途中で中継が終わってしまい残念だったが、公文に関しては左打者にとってはあのスライダーとスライスする直球は驚異だと思う。
しかし、一方で制球力に課題が残る印象だった。
【2軍短評】
今キャンプでは2軍スタートとなったルーキー3人(宇佐美・松崎・山本)の映像が流れていたので紹介したい。
★宇佐見真吾
打てるキャッチャーとして期待が大きい選手だが、非凡なバットコントロールを見せていた。
又、捕手としてもスローイングの良さを感じた。
★松崎琢也
彼も打てる捕手として獲得した選手だが、この日はファーストの守備練習を行っていた。
まず守備については捕手経験が長いので、グラブ捌きが柔らかくスローイングも良い。
バッティングは阪神の梅野とスタイルが似ていて、ごっつい体を使ってフルスイング出来るのが魅力である。
★山本泰寛
残念ながら彼の映像は少なかったので論評出来ないが、守備に関しては自信を持ってる雰囲気を画面からは感じた。
以上 敬称略